欲求ポートフォリオと求人票を、どう結びつければいいのだろう

自己探求

前回の記事では、求人票を見ているようで、自分なりの解釈に反応していたことに気づきました。

私はこれを「意味づけフィルター」と呼ぶことにしました。詳しくは、以前書いた記事をご覧ください。

さらにその前の記事では、自分の中に複数の欲求が存在していることにも気づきました。

こちらは「欲求ポートフォリオ」です。こちらも以前書いた記事で紹介しています。

ここまで整理して、一つの壁にぶつかりました。

欲求ポートフォリオが見えた。
意味づけフィルターも見えた。

でも、まだ企業を比較できる気がしなかったのです。

欲求ポートフォリオと求人票は、そもそも別のもの

例えば、欲求ポートフォリオには、

  • 安心したい
  • 認められたい
  • 成長したい
  • 挑戦したい

といった、自分の内面を表す言葉が並びます。

一方で求人票には、

  • 年収
  • 勤務地
  • 福利厚生
  • 募集職種

など、企業側の情報が並びます。

この二つは、そのままでは比較できません。

欲求ポートフォリオは円グラフのようなイメージで、
自分の中の構成比を見るためのものです。

求人票は、レーダーチャートのようなイメージです。
会社の特徴を複数の軸で見ていくものです。

そもそも表現しているものが違うので、最初から同じ土俵で比べようとしても、無理が出ます。

ChatGPTとの壁打ちで行き詰まった

そこで私は、ChatGPTとの壁打ちを続けました。

欲求ポートフォリオと求人票をどう結びつければいいのだろう。
円グラフとレーダーチャートは、そもそも違う。
何が足りないのだろう。

そんな話を繰り返していた時、ある提案がありました。

「仮の点数を付けてみたらどうですか?」というものです。

正直、最初はあまり乗り気ではありませんでした。

数値化という発想自体は、以前から頭の片隅にはありました。
でも、どうせつける数字は、自分の主観、いわば適当なものです。
そんなものに意味があるとは思えなかったのです。

だから私は、

「使えない方法だ」

と決めつけていました。

試しにやってみた

それでも、試しにやってみました。

以前の記事で出てきたIT企業と、水産会社を思い浮かべます。

当時の私は、IT企業に強く惹かれていました。
一方で、水産会社は条件こそ悪くありませんでしたが、そこまで強く興味を持てませんでした。

では、それを点数で表すとどうなるだろう。

私はまず、自分の欲求ポートフォリオをこう置いてみました。

欲求重み
安心30
承認25
成長20
挑戦15
自由10

次に、企業ごとに、自分がどう感じていたかを仮の点数で置いてみました。

IT企業の求人に意味づけ

欲求点数
安心6
承認8
成長8
挑戦7
自由5

水産会社の求人に意味づけ

欲求点数
安心8
承認5
成長4
挑戦2
自由5

そして、とりあえず掛け算してみる。

IT企業 欲求×意味づけの掛け算

  • 安心 30 × 6 = 180
  • 承認 25 × 8 = 200
  • 成長 20 × 8 = 160
  • 挑戦 15 × 7 = 105
  • 自由 10 × 5 = 50

合計 695

水産会社 欲求×意味づけの掛け算

  • 安心 30 × 8 = 240
  • 承認 25 × 5 = 125
  • 成長 20 × 4 = 80
  • 挑戦 15 × 2 = 30
  • 自由 10 × 5 = 50

合計 525

すると、不思議なことに、案外しっくりきたのです。

数字そのものに、厳密な意味はありません。
でも、結果を見ると、

「確かにそんな感じだったな」

と思えたのです。

そこで思い出したこと

しばらく考えていて、私はある既視感を覚えました。

『トヨタの片づけ』という本で学んだ考え方です。

トヨタでは、物を置く場所を決めて基準線を引きます。

すると、

  • ここは使いにくい
  • この配置は不自然だ
  • なぜみんな別の場所に置くのだろう

といった違和感が見えてきます。

重要なのは、最初から正解の配置を見つけることではありません。
違和感を見えるようにすることです。

今回の数値化も同じなのではないかと思いました。

数字は答えではなく、基準線

数字に意味がないなら使えない。
私は最初、そう思っていました。

でも逆でした。

数字に絶対的な意味がないからこそ、仮置きできるのです。
そして仮置きすることで、自分の考え方のクセや矛盾が見えてきます。

例えば、

「計算結果はIT企業の方が高いのに、なぜか水産会社の方が気になる」

ということが起きるかもしれません。

その時は、

安心を過小評価しているのかもしれません。
成長の重みづけが大きすぎるのかもしれません。
あるいは、自分でも気づいていない意味づけが存在するのかもしれません。

そうやって違和感が見えてくる。
私はそこに価値があると思いました。

ただし、正しい会社を選べるわけではない

私は、唯一の正しい答え(=会社)を選べるとは思っていません。

こう言っては元も子もありませんが、入社してみないと、本当に良い職場かどうかは分かりません。
直属の上司や同僚。
担当する業務。
繁忙期の忙しさ。
職場の文化。

実際に働いてみなければ分からない要素がたくさんあります。

それに、そもそも採用試験に合格できるとも限りません。

だからといって、就職活動や転職活動で会社を選ぼうとすることに意味がないわけではありません。

納得したうえで身を置くのと、なんとなく身を置くのとでは、その後の見え方や向き合い方が大きく変わるからです。

欲求ポートフォリオ。
意味づけフィルター。
そして、仮の数値化。

この三つをつなぐことで、求人票が少し違って見えるようになりました。

自分の意思決定を理解する手がかりになりそうです。

おわりに

欲求ポートフォリオが見える。
意味づけフィルターも見える。
そこに仮の数値を置いて掛け算してみる。

この流れを通すと、求人票と自己分析が少しつながってきます。

正解を出すためではない。
違和感を見えるようにするため。
そして、自分がなぜその企業に惹かれるのかを説明できるようにするため。

次回は、ここまでに登場した

  • 欲求ポートフォリオ
  • 意味づけフィルター
  • 仮の数値化

を一つの流れとして整理し、私なりの方法論としてまとめてみたいと思います。

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